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SciPyを使用して偏微分方程式を解く方法

以下は、SciPyを使用して偏微分方程式を解く手順のチュートリアルです。

ステップ1: 必要なライブラリをインポートする

まず、必要なライブラリをインポートする必要があります。数値計算にはnumpyライブラリを、偏微分方程式の解法にはscipyライブラリを使用します。

import numpy as np
from scipy import linalg
from scipy.sparse import diags
from scipy.sparse.linalg import spsolve

ステップ2: 問題を定義する

次に、問題を定義する必要があります。これには、偏微分方程式、境界条件、および初期条件(該当する場合)を指定します。熱方程式の例を取ってみましょう。

∂u/∂t = α ∇²u

ここで、uは未知の関数、tは時間、αは熱拡散率、∇²はラプラシアン作用素です。

この方程式をディリクレ境界条件を持つ1次元領域で解きます。

ステップ3: 領域を離散化する

偏微分方程式を数値的に解くためには、領域を離散化する必要があります。領域をN個のポイントでグリッドに分割します。ポイントの数Nと領域の長さLを定義しましょう。

N = 100  # グリッドポイントの数
L = 1.0 # 領域の長さ

次に、L/Nを使ってグリッド間隔dxを計算できます。

dx = L / N  # グリッド間隔

ステップ4: グリッドを作成する

numpyを使用して、ポイントxを定義することで、グリッドを作成できます。

x = np.linspace(0, L, N+1)  # グリッドポイント

ステップ5: 行列を作成する

次に、偏微分方程式を表す行列を作成する必要があります。有限差分法を使用して方程式を離散化します。

A = diags([-1, 2, -1], [-1, 0, 1], shape=(N-1, N-1)).toarray()  # ラプラシアン行列

ステップ6: 境界条件を適用する

行列に境界条件を適用する必要があります。ディリクレ境界条件の場合、境界点の値を考慮して行列Abを修正することができます。

# ディリクレ境界条件を適用する
A[0, 0] = 1
A[N-2, N-2] = 1

# 右辺ベクトルbに境界値を適用する
b[0] = boundary_value_left
b[N-2] = boundary_value_right

ステップ7: 方程式系を解く

scipy.sparse.linalgspsolve関数を使用して、方程式系を解くことができます。

u = spsolve(A, b)

ステップ8: 結果を可視化する

最後に、matplotlibを使用して結果を可視化することができます。

import matplotlib.pyplot as plt

# 解をプロットする
plt.plot(x[1:N], u)
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('u')
plt.title('熱方程式の解')
plt.show()

以上です!これはSciPyを使用して偏微分方程式を解くための基本的な例です。コードを特定の問題や境界条件に合わせて変更することができます。